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事例その9 家を支配する犬 [飼い主の事情編]

カリフォルニア州バレンシア

メーガン夫妻には生後半年になる息子メイソンがいます。
そして、 
ハーレー(イングリッシュ・マスティフ)8才
アマリー(チワワ・ミックス)4才
という犬と一緒に暮らしています。

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問題なのはアマリーの方です。

いつもはかわいいし、天使の様でもあるんですが
急に意地悪をはじめます。

ひどい声で吼え叫び、散歩中は他の犬を見ると吠えます。
そして、大型犬であるハーレーが一緒だとさらに行動は
エスカレートします。

また、アマリーは坊やが生後2~3ヶ月ぐらいの頃はおもちゃで一緒に
遊んだそうですが、ハイハイが出来、動きが活発になると、
唸って、噛もうとするそうです。

しつけ教室や専門家に来てもらったけれども、
ことごとく失敗に終わりました。

息子に危害が及ぶかもしれない、不安を感じた夫妻は
シーザーの助言にすべてを託します。

〇シーザーが訪問して分かったことは

この家族はアマリーが支配していること

犬は口ではなく、体で力を示します。
体の部位や大きさはまったく関係ありません。
たった4キロのチワワが体で、85キロのマスティフを支配しています。

また、坊やを支配し始めたのは
ルールと境界と制限を定めなかったからです。

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↑この光景はかわいらしいですが、
境界がないせいで、犬が支配的になりやすいです。
「このベッド、坊やは犬より上」という立場を
しっかりと教えないと、後々面倒なことになりますので
ご注意を。

アマリーは「自分の群れだからちゃんと叱らないと」と思ったのでしょう。

アマリー側から言うと、
ルールがないから戸惑っているのです
「この夫婦には従うけど、赤ん坊には従えとは言われていない」
「それどころか、好きにさせてくれるし、
彼のスペースに入っても叱られない」
ということになります

赤ん坊におもちゃを渡すというかわいらしい仕草は
実は
リーダーが境界を示さなかった結果です

相手の許可もなく、犬がスペースに入るのは
「支配」です

言うことを聞かない犬の飼い主は皆頭を抱えています。

大声で吼える犬に対してとめても怒鳴って効果はありません。

当然です

夫妻は犬に対して少し見解が違っていました。

婦人はアマリーはかわいいし、傷つけたくない
夫は「彼女は甘い」といい、アマリーの行動を叱ろうとすると
妻はやめてと止めに入ります。

奥さんの立場からすると、
もっと攻撃的になるのを見たくないし嫌われたくないそうです

ですが
「何かを嫌うのは人間だけ」です

婦人に必要なのは「犬を尊重すること」です
それは
「本質を尊重しましょう」という意味で犬として扱うことです

〇まず教えるのは、
メイソン(息子)を守るための大切なルールです

メイソンがおもちゃを取ろうとするとき、
アマリーはじっと見つめています。
この沈黙は警告している合図です

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そのとき、シーザーが「シッ」といって意識をそらしました。
服従して回避すれば問題ありません
ここできちんと注意すれば、それ以上はエスカレートはしないのです。

問題は未然に防ぐことです。

沈黙の瞬間→唸り声→噛む
そういう順番です

未然に防げたことでアマリーは大きく深呼吸し、そっぽを向きました。
これは安心している証拠です

007.jpg

子供は何も考えず、おもちゃが欲しければ取ろうとします。

犬との毅然とした接し方を親が教えないと
正しい方法など、赤ん坊には分かりません
時には犬を傷つけることも。

親が赤ん坊と犬、両方のリーダーになり調和させることが大切です

また、アマリーが座っている場所から「後押しして」
どかします。

それは、その場所をメイソンの領域にするのです。

犬は赤ん坊を標的にしたとしても
その場でじっとせず、動き回ったりもします。

自らメイソンにスペースを譲る必要があります

犬がエスカレートするのを未然に防げば
生活そのものが守られます

リーダーになるのは勿論重要です

〇次は他の犬に吠える対処法です

外でシーザーの犬に来てもらっていると、
屋内でアマリーは勿論、おとなしいハーレーまで
吠え始めます。

この時のハーレーの行動は、アマリーに従っているだけです

また、エスカレートした後では止めるのは大変です。

しかし、犬の横をタッチすると犬は振り返ります。
タッチすれば意識をそらせます

耳が立っているのは警告の合図ですから
犬の行動には気をつけて対応しましょう

要は人と犬との主従関係なのです

〇散歩時における対処法

まず、ドアから外に出るときは必ず犬を落ち着かせて、
人が先に出るようにしましょう

犬にきょろきょろとよそ見をさせないことも重要です

叱るときはリードをピンと張り、力を抜いて緩めます

引っ張ったままだと犬はリラックスできません

そして、他の犬とすれ違うときに、
緊張して叱っても、効果はありません。

自分がまずリラックスしましょう。
深呼吸して、頭の中に上手くいく方法を思い描き、
自分の犬が、相手の犬を見ないよう注意を促すことが必要です。

この結果、アマリーは支配的、独占的ではありましたが、
すぐに変化が現れました。

「しつけ」をすることは
叩いたり
怒ったり
することではありません。

穏やかで毅然としたエネルギーが大切なのです。

妨げになるのは犬ではなく「心配する心」です
心配になることがあると緊張してしまいます


心配は時として健全でとても大切な感情ですが
犬には、ためにならないので、
犬に対しては心配する感情はない方がいいでしょう。

犬との友情はすばらしいものです
でもまずはリーダーになるため
必要に応じ、基本から学びましょう

飼い主がリーダーになれば
犬は信頼、尊敬、友情をたっぷり与えてくれます



大切なのは言葉よりエネルギーです
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事例その8 やんちゃな暴れん坊の対処法 [飼い主の事情編]

カリフォルニア州 パコイマ



そこにラウルさんが母と娘ジャスミンと3人で暮らしています。



彼は知人から一匹の子犬をもらいうけました

それが

レッドノーズ・ピットブル 9ヶ月 
名前は「バンバン」です



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ですが、ラウスさんは犬を飼ったことがなかったため、

子犬だからという理由でやんちゃに育てた結果、
どんどん暴れん坊になりました。


ピットブルは9ヶ月でも見た目は大きく、体重もかなりあります



彼は仕事から帰宅後、いつも暴れては噛まれるので、

彼の腕は噛み傷だらけです。



ちなみに・・・・暴れて噛まれるというのは人側の見解です
バンバンにしてみれば「遊んでいるだけ」です




一方、娘のジャスミンは小学生。

この大きな暴れん坊とでは一緒に遊べません


母は犬が苦手で、飼うにも乗り気ではなかったようで、

ある日飛びつかれて、このままでは危険だと感じていました。

カーペットなどありとあらゆるものが噛まれて

うんざりのご様子。



そんなラウルさんは、母親からあれこれ言われて

心を痛めていました。



そして自分の手には負えないと思い始めた彼は

シーザーに助言を求めました。


シーザー曰く、



「ピットブルの問題行動も、犬種より飼い主が原因」



バンバンの欲求を、飼い主のラウルたちは充分に満たしているのでしょうか?



「犬に必要なのはルールと境界と制限です
慣れていない飼い主はその定めを知りません」




ラウルさんは、シーザーとの相談で、散歩は1週間に3回程度だと伝えました。



「どんな犬でも散歩は必須です」



アメリカでは犬はリードにつなぐかオリに入れて飼います

でもそれなら先に力を発散させないと、
犬はストレスがたまって攻撃的
になります



犬に攻撃的行動をやめさせたいのなら

今のままでは無理でしょう

まだ子犬だと言っていたけど、すぐ成犬になります



ラウルの母親にも同席してもらい、

これは家族全体で取り組む必要がある、ということを

伝えます。



「犬を飼うと決めた以上は飼い主に責任があります
ただ育てるだけでなく、人との暮らし方も教えないといけません」


シーザーは自分の息子2人と、相棒のダディにもリハビリに協力してもらいます



これは自分の息子に手伝ってもらうことで

ラウルに父親のあり方を示すのが狙いでした



まず、はじめの一歩は他の犬(ダディ)に合わせる前に

従順にする方法からです



(注意!ここではバンバンが攻撃的か支配的性格かを見極めるためだと
思われます。専門家の立会いなしでむやみに犬を対面させないように)


興奮したまま会わせると相手の犬は危険を感じて相手を倒そうとします。



次は「門を開けると飛び出したりする行動」の対処法です



通常、ラウルさんは、門を開けるとき

「他の犬がいないのを確認したり

リードを必死で持ったりします」



でも正しい方法

「門を開け、犬が飛び出ないようタッチして注意を促します」



このときはダディがお手本となったことで

バンバンは門での行動を学びました





ちなみにタッチは犬のわき腹を的確に正しい強さで

理想像を描きながらします

名前を呼びながら「バンバン、下がれ!」とは言いません



興奮しているときはタッチだけです。

(注意!タッチしながら「下がれ!」などといった言葉は効果がありません)



門でもどこでも、人間の、自分のスペースを主張しましょう

犬がリーダーだと争いが生じます



バンバンはシーザーだと上手くいきましたが、

ラウルさんがやると逃げてしまいました。

しかし、逃げては意味がありません。従順にするのが目標です。



追い詰められると噛む行為を見せました。



「この犬は噛めば身を守れると思っています」

これは不安がある証拠で、それが原因で噛み付いてきます



また、エネルギーを発散したいとき、

犬はその合図として近くにある手などを噛もうとしてきます



ここで注意するのは、「不安な犬が皆攻撃的なわけではなく」、

「人間が不安になるから犬が支配的になる」のです



ラウルさんには心当たりがありました

母も自分もいつも不安がっていたというものです



シーザーがタッチしたとき、バンバンは不安になり噛もうとしてました。
それは子犬の頃から叱られたことがないからです。
「かわいいから」という理由でなにをやっても許され、
今まで問題行動を褒められてきたのに
突然叱られたから不安になったんです




次の訓練の対象はバンバンを大声で叱るジャスミンです



「バンバン!ダメ!」

大声で叱り、犬を支配しようとしています



これは効果がないので、穏やかな方法を教えてあげましょう

無言で指を鳴らすか、「ノー!」とひと言注意を促せばいいのです



次は車庫の門や玄関を開けたときの対処法です



以前は車庫の門を開けた瞬間、興奮し、走り寄ってきましたが、

学習したので近くには寄ってきません。



玄関に出たり入ったりするときも、

引っ張られるように中に入ったらいけません



ドアの前に座らせて落ち着いてから入らせるようにします。

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もし、ドアが開いてさっと中へ入ってしまっても、

焦らず落ち着いて一旦外へ出しましょう。

繰り返し、やり直すことが肝心です。



嫌がるのを無理に服従させるのではなく、

安心させることが大事です



いつもは興奮して落ち着きなく家の中を

飛び回るのですが、それはスペースを主張するリーダーがいなくて

みんな興奮して怒っているだけだからです



また、子供には

「飛びついたら褒めてはいけない」ことを
教えてあげましょう


問題行動を助長することになります。



犬は常に瞬間を生きていて、態度もパッと切り替わります

だから飛びつく瞬間に対処しなくてはいけません。

それはある場所にとどまっていなさいというルールを

無視して動こうとした時も同じです。



次は食事のときの対処法です



すべての飼い主に大切なことですが、
ここでも大切なのはスペースの主張です




食べ物には勝手に近寄らせないよう、

「シッ」と言って、足などを使ってブロックしてみましょう。



悪い例はこんな感じ

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これだと食べ物以外に人間にも飛びついてきます。



所有権を主張すれば犬はきちんと理解します。



子供も練習です。

食べ物の入ったトレーを持ち、歩いてみます。

犬が近寄ってきたら、「ノー!」といって主張しましょう。



慣れてくれば、犬はニオイで「これは近づいてはいけない」ことを学習し、

興味を示しても距離を保ちます



最後は従順な犬と共に散歩の訓練です



犬は必ず人の横について歩かせましょう。

前に出そうになったら足で軽くタッチして

注意を促します。



制御が難しいと感じたら、「イルージョンカラー」を使用するのもいいでしょう



首全体をカバーする首輪で

より効果的に正すことが出来ます。

最初は嫌がるかもしれませんが、丸一日かけて慣らすようにしてください



散歩のときのリードは引っ張ったままではなく、

「引いたら緩める」ようにしましょう。

犬を見てではなく、前を向いて堂々とさっそうと歩くように。

また、何回もタッチしていると効き目がなくなるので

脚とリードを上手く使い分けることも必要です。



リードは後ろではなく、横に引っ張ってください。



■まとめ■



ピットブルはアメリカで一番人気であると同時に

処分される固体も多い犬種です。



この犬種はご存知のように闘犬として生み出され、

その姿から「怖い」と思われるのも事実です。



現に、放し飼いなどにより襲われた人の数もまた少なくないです。



ですが、チワワのような小型犬に攻撃されて

生傷の耐えない人も多いのです。



それは、シーザーが話していた通り、

「犬種ではなく、人が原因」

なのです



犬と共に生活を決めたら、



犬を家に迎え入れたときは、まず
「ルール」

「境界」

「愛情」
の順に接しましょう








「もう成犬だから無理」

では決して、「ない」です。



犬は今を生きてる動物です。そして本能で行動しています。

あなたが変われば、犬も接し方を学習します。



そうすれば互いに尊重され、いい関係が築けることでしょう



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事例その7 急に攻撃的になる犬 [飼い主の事情編]

カリフォルニア州 アーバイン



ジェーンとアダム夫妻は



ワイマラナー専門の保護施設から

2匹の犬を家族にしました。



ルナ(7才)とパーカー(8才)です



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さらにアダムは保護施設で散歩のボランティアをしていたとき、

里親に噛み付いて翌日施設に返されたレックス(2才)を

気の毒に思い、「自分たちなら変えられるかも」と引き取りました。



2~3年かけて里親を探すつもりだった夫妻でしたが、

ジェーンが妊娠したので、悠長に構えていられなくなりました。



その問題行動というのが

〇ソファにくつろいでいると、レックスは急に暴れだし、噛み付く

〇ナプキンが床に落ちるとむきになって拾い千切る

〇食洗機を閉めようとすると攻撃的になり、噛む




夫妻はすでに何十回と噛まれています。

このまま家においても生まれてくる赤ちゃんに危険が及ぶかも知れず、

かといって里親を探すにも攻撃的部分が改善されなければ

誰も引き取ってはくれないでしょう。





そこでシーザー・ミラン氏の出番となったわけです。



まず、問題を引き出し、対処していくため

問題行動の現れる場所へ犬をあえて連れて行きます



まず食洗機です



ここでは正すタイミングが重要になってきます

レックスは食洗機に興味深々です。鼻を使ってかぎまわっています。

好奇心旺盛な状態を叱る必要はありません。

犬の好奇心は従順さの表れだからです



ただし、食器をなめ始め、執着心を示したとき

一瞬だけタッチして、犬の心理に鮮烈に働きかけるんです

タッチして犬の頭を切り替えさせ、犬が驚いたところでシーザーのエネルギーを伝えます。



そして犬に何がダメか教えるんです



「好奇心は持ってもいい」

「でも執着心を持ったらダメだ」
ということを

徹底的に教えましょう。



次はソファです

「ソファは自分のもの」だからレックスを遠ざける練習です



近づくときは

動物に近づくときは横からです
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そして斜め後方から「穏やかに主張」します

犬が自らソファから降りるまで働きかけましょう



時間をかけてリハビリの目的を伝えます



犬の心理に働きかけるため体は使わずにじっくり犬の心と向き合いました



自分がソファに座っているとき、そろそろと近づいたら、

「シッ」といって注意を促しましょう。
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立ち去らなければ、静かに立ちあがって

「私がいいというまでソファには上らせない、近づいてはいけない」ことを

全身で静かに伝えましょう。



名前を呼んだり、大声で怒鳴ったりする必要はありません



その3 ナプキン



まずナプキンを犬の目線に下げ、「これは人間の物」だと教えます

そして触ったらダメだと伝えるんです



ニオイは嗅がせて構いません

その後ナプキンを床の上に置きます



犬が近づいてきたら体を使いナプキンを主張します

体を前に出すんです
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そして穏やかで毅然としたエネルギーでこちらの意を伝えるんです



その4 エサ



次はジェーンが食べ物を主張する番です

彼女が食べ物を持つと、レックスが前に立ち、じっと見つめています。

このとき、彼女は無視しながら横にそれ、レックスから離れます。



しかしこれではレックスが主導権を握ったことになります。



ポイントは

食べ物を持つ手は下ろし、「コレは私の物」と主張しましょう

自信を持って主張すれば大丈夫です




犬が前にいても避けないで、正面から向き合い、「シッ」と注意を促して歩きます。

犬が後ろに下がったり、避ければ成功です。



一筋縄ではいかなくても根気よく向き合ってください



シーザーは最後に



「犬の姿を見れば

その飼い主がリーダーとして適格かどうか分かります」



「問題解決に向けてじっくり犬と向き合えば、

ゆるぎない信頼と尊重と愛情が得られます


と締めくくりました。



近所で散歩中のワンちゃんに出会う機会は多いと思いますが、

犬が飼い主より先に歩いていたり、好き勝手に歩いていれば

犬がリーダーだということが分かりますね。



毅然として穏やかなエネルギーで毎日を過ごしましょう




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事例その5 やんちゃな3匹のリーダーになるために [飼い主の事情編]

事例その5 やんちゃな3匹のリーダーになるために



カリフォルニア州エルモンテ

ジェフとケリー夫妻には3匹のかわいいわんちゃんがいます。



ケイリーというメスのマルチーズ(メス7歳)を筆頭に、

ヨークシャーテリアのセブン(オス2歳半)と

同じヨークシャーのベラ(メス11ヶ月) の小型犬です。



可愛いだけならよいのですが、3匹ともに

ちょっと困った行動が目立ち、夫妻は落ち着いていられません。



というのも

〇ケイリーは神経質でクルクルよく回り、体をかきむしるので

 マルチーズにしては毛が短いです。

〇セブンは攻撃的で、ケイリーとベラとケンカばかりします。

 極めつけなのは、奥さんに抱っこされていると旦那さんは

 近寄れなくなるほど嫉妬深いのです。

〇ベラはセブンともケンカしてばかり。セブンが口輪をしていたにも

 かかわらず、ベラの舌を少し噛み千切ってしまうほど。



夫婦は、乱暴者のセブンを手放すことも考えましたが、

かわいいので戸惑っています。



さて、シーザーはこの3匹の様子をどう捉えているでしょうか。



「人間の女性が犬のオスに独占されてしまうと、彼氏が二人いるのと
同じ状況になります」




どうやら奥さんは、セブンに従属していて主導権を握られているようです。



夫妻は以前、友人にシーザーの真似をしてもらい、

犬をおとなしくさせてもらった経験があるといいます。

そのとき友人は見事に3匹を上手くリードできましたが、

夫妻が同じ事をしても効果がなかったとか。



「散歩もしてない人に犬は何故従うのでしょう?」

それは

「犬は人間の本気度を見ているから」

だそうです。



ちなみにケイリーが神経質でクルクル回る理由ですが、

獣医師に診てもらったときはエサやアレルギーの問題では

なかったといいます。

では、何故このような行動にでるのでしょう。



「犬はエネルギーを発散しないと不安になり、何らかの行動に出ます」

「必要なのは運動です」


そう、聞くところによると、夫妻は散歩も運動もしていなかったのです。



まず、犬と飼い主の様子をシーザーは観察します。



セブンは奥さんに抱えられてソファに座っていましたが、じっと黙って

「警告」していました。

首を傾けているのは警告の合図です。



シーザーは、まず奥さんのいるソファの前で、ケイリーを抱えて座ります。

                ↓

唸っているセブンを小脇に抱えている奥さんに、膝に乗せて自分自身で

とどまらせるよう促します。  

                ↓

そして唸っていたり、警告を発したりしたら、すぐさま手を使って

横にずらし、膝から下ろさせます。このとき黙ってやりましょう。

                ↓

セブンが唸らず穏やかになり、シーザーに意識を向けている間、

ケイリーとベラの2匹を奥さんの膝、つまりセブンの隣に乗せます。

                ↓

争いも、暴れる様子もなく、3匹はおとなしく座ることが出来ました。



これはどうしてでしょう?



シーザーは、この家に最初に来たとき、セブンにじっくりと彼のニオイを

嗅がせたからだといいます。シーザーは犬を見ないですっと立って、

夫妻と会話をしていました。

このとき、セブンにはニオイをかがせて自己紹介をし、尊重の意を示して

安心感を与えたのだそうです。

その後ソファの前に座ったとき、「さっきのボクだよ」とニオイに反応して

セブンは喜んで受け入れたといいます。



3匹が仲良く並んで座っている姿を夫妻ははじめてみたそうです。



問題は、婦人自身にありました。犬たちが互いに近づくと、ケンカしないか

騒がないか、内心ビクビクしていたと話しました。



さて、どうすれば彼女一人でも、

穏やかに3匹をまとめることが出来るでしょうか?



それでは練習しましょう。



奥さんの膝にセブンが乗っている状態で、

夫ジェフが2匹を抱えて向かいあって座ります。



すでにセブンは唸り声をあげていました。

奥さんはすかさず手でセブンをどかしますが、効果はありません。



なので、2匹をセブンに正面から向かい合わせるのではなく、

お尻をかがせましょう。



ベラの向きを変えると、セブンがやはり唸ったので、

奥さんが手で膝からセブンをどかします。

そしてベラをジェフから手渡してもらい、奥さんが抱きかかえます。



このとき、リラックスして受け入れる姿勢を示しましょう。



犬を正面から近づけると、ケンカになります。

お尻からならばケンカにならないそうです。



ここで注目!「奥さんの緊張を解き、穏やかにすることが大事です」

自身が落ち着いたら、次はエネルギーを示します。

すると、セブンも落ち着きました。表情がまるで違うことに驚くでしょう。



一番の問題は、飼い主が犬を傷つけるのを心配していることでした。



唸っていたらセブンを脇へ手を使ってどかし、

落ち着いてから他の2匹を受けとりましょう。

でないと、襲われる可能性があるのです。



また、犬が暴れたらすぐに体にタッチして、

自分がリーダーだと示す必要があります。



練習中、セブンとベラがケンカをはじめました。

ですが、シーザーはあわてることなく、2匹の首の後ろを抱えて制します。

(首の後ろ・・・丁度母犬が子犬をくわえる場所です)

群れはまだ緊張気味です。



大切なのは、ケンカ後の対処方です

たいていの飼い主は感情的になります。

でも、何より大切なのは「犬を助ける」こと。

何がダメなのか穏やかに犬に伝えます。



犬たちはまた騒ぎ出すかもしれません。

すでにケンカが始まったとき、けたたましい吼え声に、

奥さんは頭を抱えてソファに座ったままでした。

恐怖心を抱いていたり、興奮したりすると思いますが、

その都度「穏やかに」叱らねばなりません。



最後に取り組むのは「来客時に生じる混乱状態」です。



ドアをノックしたり、チャイムが鳴ったりしたとき、

犬たちは果敢に吼えて大騒ぎします。



ただ、こういうとき大声を上げて叱るのは逆効果です。

ちなみに体調の悪いときなどに犬を静めたい場合は
おやつで気を引くという手もあります




練習中、ドアのノックやチャイムがなるたびに犬たちは

反応しますが、おやつの方に引き寄せられ、おとなしくなりました。



さて、本番です。

玄関の扉の前に陣取る3匹を、

「黙って」脚や手をつかってブロックし、ドアに近づくなと教えます。



犬が落ち着くまでドアは開けてはいけません。



奥さんはいつも3匹がケンカしたり吼えたりすると

あせってばかりいたそうです。

「でも犬とはじっくり向き合うべきなんですね」

彼女は今回のことで、少し前向きに対処しようという気になったようです。



シーザーは最後にこう締めくくります。

「まずは基礎をしっかり固めましょう。
そうすればおのずといい結果になります
基礎とは、穏やかさと毅然たる態度を身につけること。
出来ることとすべきことに力を注ぎましょう」



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事例その4 犬の信頼を得るには苦手を克服 その2 [飼い主の事情編]

事例その4 犬の信頼を得るには苦手を克服 その2



カリフォルニア州バーバンクに住む若い夫婦ポールとリサは

1ヶ月前、施設から2匹犬を引き取りました。



かなりやんちゃなチワワMIXのジンジャー(1歳)と

常にオドオドしているシェルティーMIXのルナ(1歳)です。



ポールはピットブルにいい印象を持っておらず、

どこかに犬に対して恐怖心があったため、

飼い犬2匹との信頼関係はどこかギクシャクしていました。





そんなポールでしたが、シーザーに指導され、

ピットブルのジュニアと、犬に対峙する訓練を行い、

少しですがわだかまりが解けました。



次はお互いを尊重するよう引き合わせる段階です。

ポールはジュニアとジンジャー、ルナのリーダーとなるべく、

引き続き挑戦です



〇ポールはジュニアと共に外へ出て、庭の2匹と接触します。

             ↓

ここで注意!

ポール自身が緊張していると、ジュニアは動きませんので、

大きく深呼吸し、あせらず心の状態をしっかり確かめます。

怖いと思う過去の経験のせいで、練習が必要でした。

何度も繰り返し行うことで、克服できます。

             ↓

外へ出るとき、庭の2匹が勝手に家の中に入らないようにしましょう。

             ↓

庭に通じる扉の前でまず立ち止まります

             ↓

落ち着いたら犬は後にゆっくり外へ出ましょう



〇ジュニアと共にベンチに座ると、ジンジャーとルナが近寄ってきます。

いままで近づきもしなかったルナは、ポールの臭いをかぎ始めます。

そしてジュニアのマネをして穏やかになりました。



ジュニアが橋渡しとなって、ポールと犬たちを結びつけた瞬間でした。



その後、庭をぐるりと(ジュニアはリードでポールについていきます)

まわっている間、ポールの後にジンジャーとルナがついて来るようになりました。

そして、暫くした後ジュニアのリードを外し、遊ばせます。



ポールは散歩に挑戦です。



ルナは散歩を嫌がり、リードはピンと張ったままの状態ですが、

かわいそうと思ったらいけません。

ポールの恐怖心(苦手意識)もそう長くは続かないので、ルナの不安も

直に収まります。

一方、リサは犬を苦しめないか心配そうにしていました。



シーザーは、

人は皆、犬の体だけ心配し、心の痛みを見ていません」と言っています。



嫌がって歩こうとしないルナですが、ルナ自身のために乗り越えさせます。



次第にルナは嫌がらず、後ろからリードを緩めてもポールについて

歩くようになりました。



そして妻のリサもこの練習に共感したことで、夫婦ともに練習に取り組めるようになり、

緊張が解けると、後はトントン拍子でした。



ジュニアぬきで2匹を連れて散歩させることも順調。



今度はリサが2匹と連れ立って歩く番ですが、シーザーは彼女の心配を取り除くため、

高級バッグを持っていると思って、いい気分で歩いてください」と指導します。

すると彼女は、かなりリラックスして2匹の犬もそれに続いて歩くことが出来ました。



リサは犬たちの信頼をすでに得ていましたが、不安げなルナのような犬には

あらためて信頼される必要があるといいます。



次は尊重です。



リードを離し、犬と少し距離を置いて歩きましょう。

犬がついてくれば従順な証拠です。でなければ犬は飼い主の前に出てしまいます。

このとき、犬を見たり、声を掛けたり、不安を考えてはいけません。

成功する姿を想像して歩くことが大切です。



するとジンジャーはリードがないにも関わらず、

自らの本能で人の後をついていきました。

ルナも同様に、です。



シーザーは言います。

犬たちへの対処法よりも大切なことがありました。
飼い主の心配や恐怖心をどのように取り除くかです


飼い主の問題が犬に伝わると、犬を助けられません」



ポールはピットブルが苦手でしたが、今回の挑戦で一歩、克服しました。

それはほんの少しですが、大きな進歩です。



後日、シーザーはバーバンク動物保護施設に夫妻と共に訪れました。



シーザーはここで保護されているピットブルの心を読む練習を指導します。

皮膚や毛の状態を観察することで、心の状態を見るそうです。



ポールは正直、施設に行くのは不安があったといいます。

訓練されたジュニアに会うのとは訳が違うからです。



シーザーは小型犬だけでなく、ピットブルにも親しみを感じて欲しいと

願っているそうです。

それは「ピットブル」という犬種のもつ独特の雰囲気と、エネルギーによって

引き取り手が少ないのだそうです。



ピットブルは基本的に人間に忠実です。



ポールはここでの体験で、一つ学んだようです。

本は表紙だけでなく、中もきちんと読まないと分からないように、
犬も同じで、犬種だけで判断するのではなく、観察することが大切だ


ということを。

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事例その4 犬の信頼を得るには苦手を克服 その1 [飼い主の事情編]

事例その4 犬の信頼を得るには苦手を克服 その1



カリフォルニア州バーバンクに住む若い夫婦ポールとリサは

1ヶ月前、施設から2匹の小型犬を引き取りました。



かなりやんちゃなチワワMIXのジンジャー(1歳)と

常にオドオドしているシェルティーMIXのルナ(1歳)です。



両極端な2匹です。散歩の時はジンジャーは好き勝手に動き回り、

ルナは後ろからビクビクしつつ、嫌そうにおろおろ歩いているので、

飼い主は明後日の方向に引っ張られながら歩くハメに陥っています。



ジンジャーもルナも、妻のリサにはなついている方ですが、

夫、ポールの方にはルナに関して言えばまったく近寄りません。

むしろ、手をのばして可愛がろうとしても、机や椅子の下に

もぐりこみ、回避する始末。



ルナの信頼を得る方法はないものか、

リードなしで散歩が出来、ドッグ・ランにも行きたいと願う

夫婦はシーザーに助言を請います。



シーザーの見立て。

ジンジャーは支配的で、いい状態とはいえません。

ルナがジンジャーを真似て同じように振舞う可能性があります。



さらに夫婦と話を進めると、分かってきたことがありました。

それは、二人とも「大型犬、特にピット・ブルが苦手」だというのです。


052.jpg


ポールは保険関係の仕事柄、ピットブルについてあまりいい印象を

持っていないようでした。

恐怖心があり、保護施設に行ったときもピットブルの犬舎は

避けていたそうです。



シーザーは、

あなたが犬に対して恐怖心を抱いているのを犬は察します。
それでは信頼関係は築けません。
攻撃性は犬種ではなく、心の問題です


と進言しました。



さらに、シーザーはポールに問いかけます。

「あなたはこの恐怖心を克服したいですか?」と。



彼は「YES」と、うなづき返しました。


今回の課題は3つ

「不安げな犬(ルナ)」「支配的な犬(ジンジャー)」

そして「怯えている人間(ポール)」です



彼の恐怖を克服するために、ピットブルのジュニアで練習することに。

シーザー曰く、

苦手なものと向き合うことで、他の部分にも好影響が出る

とのことです。



ジュニアは、怯えている人の前で穏やかでいることを訓練されています。

ので、失敗しても飛び掛られる心配はありません。



ポールはジュニアと1mも離れていないところから立って

手にはおもちゃのボールを持ち、対面します。

         ↓

ジュニアはボールに集中しています。

         ↓

そのままゆっくりとジュニアに近づき、顔を上げて深呼吸。



この時点で、ポールにとっては大成果です。ただし、

襲われたら心配な気持ちを隠しきれません。

シーザーは、「襲われたら~」は想像ですよね、現実ではありませんと諭します。



人は驚くほどの想像力を備えていますが、非情に現実的でもあります。



ここで、膝を付いてジュニアとより近くなります・・・が、

ポールは無意識のうちに少し後ろへ下がって膝を付いたので、

ジュニアが前に出ました。

恐怖心から下がってしまったので、下がらずにそのまま腰を下ろせば問題ありません。



床に座ると、ジュニアはまだボールを見ています。

シーザーはポールに、彼の肩を「何も考えずに」撫でて、誉めて終わりにすることを

指導しました。



彼の場合、直接的ではないけれど、「ピットブル」という犬種の乱暴な

振る舞いを耳にし、あまりいい印象は持たなかったようです。



「小型犬なら問題ない」

とそれですめばかまいませんが、彼の犬はなつかない、信頼していないという

困った事態でした。彼自身、それを克服したいという気持ちがあったので、

「ピットブル」に近づく行動は挑戦であったのです。





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